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耶呆島の北端、寒風すさぶ断崖絶壁に、偏屈岩窟と呼ばれる洞穴があった。
渡りを止めた老いぼれ鳥が一羽、なにするともなく住んでいた。
名をクチダケ鳥という。ある日を境にさっぱり鳴かず飛ばずの鳥である。
このまま隠遁かそのうち鎮魂かと危ぶまれていた、そんなある日のこと。

「あら、なにこれ」
珍しく都へ上っていたクチダケ鳥が三日ぶりに帰ると、岩窟の扉に一行文が留めつけられていた。
『来られたし。海風も吹く by智庵居士』
留守中に来訪されたらしい。文の末には誘結印が書き付けられている。
「来いとは珍しな。わけありやろか」
誘結印に羽をかざし、クチダケ鳥は印の向こうへ飛んだ。

見慣れた庵の一室。誘結印から飛び出したクチダケ鳥はそのまま大男の背にぶつかった。
「あいた! 出口ふさがんといてぇな、もー」
人型に化けた海風が振り返った。最近メタボを警戒しているだけあって化けっぷりもデカい。
「あ、クチダケがやっと来た。おっそーい。僕たちだけで始めちゃったよ」
「始めるて、なにを?」
海風の向こうから智庵がにっこり顔を出した。二本指を立て、Vサインを見せる。
「第二弾です」
海風と智庵が挟み座っている机の上に、別の誘結印が置いてあった。
印の向こうに垣間見える空間は、誰かの留守宅らしい。どこかで見たような。
忘れられないひとつのフレーズが、時空を貫きこちらの空間に届いている。

隣にいる異文化人と,どう関わっていくか。



智庵が自筆の書をさらさらと広げた。達筆である。
「まずは素案を書いてみました。いかが」
ふんふんと読み、クチダケ鳥はうなずく。
「異文化接触・・・三つの反応、三つの段階・・・ええね」
海風がふところから自分の誘結印を取り出し、かざす。
「では、僕の番。いっくよー」
印から溢れた渦が、三者を海風の家へ送り込んだ。

飛び込んだ先で、わっと紙片が舞い上がった。
「ごめんごめん、まだ頭ん中が散らかってて。ちょっと待ってて」
海風はわっさわっさとメモ紙を掻き分け、めぼしい紙の束を掴みあてると、壁に一枚づつピンで留め説明し始めた
「智庵の案はマトリクスで整理できるわけ。で、縦軸と横軸の関わりあいを現段階では僕はこう見てて・・・で・・・名付けとか説教族とか・・・で、これって、数式化できるんじゃないかと。現時点ではここまで考えてる。・・・でさ、」
そこまで言って、海風はぐるっとクチダケ鳥を振り返った。
「クチダケ、またこのネタで話したいと思ってなぁい?」
「なんで? うち、なーんも言うとらんよ」
クチダケ鳥は笑っている。
一年前に書き上げた、「隣にいる異文化人と,どう関わっていくか。」に端を発した一ヶ月に及ぶロングラン論考レポートを、留守中の岩窟入り口にこれ見よがしに吊り下げておいたくせに。
「・・・せやけど、おもしろそうやな。腹案はあるで」
「僕もアイデアがある」
海風に続き、智庵もうなずく。
「続きに期待します」

三者は部屋を出た。海風の家は岬の突端にある。風に髪をなびかせ智庵が問う。
「今後は?」
クチダケ鳥が答えた。
「お互い、好きに書こ。船頭も煽動もなしや。一年前かてそうやった。ただまあ、そうやな・・・気兼ねなくたむろできる場所があったら、便利やけどな。誰かひとりの家に居つくわけにもいかんし」
海風が手をポン!と叩き合せた。
「ちょうどいい。近くに無人の浮遊砦があるから、それ、使っちゃおう。異文化地帯に進む気なら、要塞ごと動いたほうが気が利いてる」
智庵もクチダケ鳥も諸手(諸羽)を挙げて賛成した。

どんな砦かは、行ってのお楽しみ。


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06/24|浮遊砦コメント(6)トラックバック(0)TOP↑
ロングラン論考中「異文化交流議論」の進行を短編小説風味でご紹介。タイトルは「浮遊砦
本文はキャラノベ、「続きを読む」でキャラノベ元事件の説明文を読むことができます。関連記事群へのリンクあり。

キャラノベに出てくる固定キャラは実在のブロガーです。ハンドルを一部もじって命名していますが、センスが悪くてイヤだと御本人から抗議があればいつでも改名します。
固定キャラと関わりの深いブロガーが客演する可能性あり。事前了解は得ません。ネタにされたかたは、御自分のキャラがむやみに個性的なのだとご理解ください。私の目に入ったのが運のツキと諦めてください。改名の御要望はいつでも承ります。

記事中でたびたび紹介する「異文化交流議論リンク集」は、はてなブックマークサービスを利用したリンク集です。記事は時系列で降順で(新しい記事ほど上に)表示されています。
ブックマークの分類タグ・コメントはchargeup氏(キャラノベ名:智庵)によるものです。




以下、固定キャラのホームブログと簡単な紹介。
紹介はキャラノベに登場した順。順次、追記してゆきます。
 固定キャラ(異文化交流議論参加ブロガー)
 客演者(単記事やコメントで参加したブロガー)

クチダケ鳥 (議論参加記事群
2005年2月~2006年10月、20ヶ月に渡り妄想創作小説をブログで連載していた偏屈ブロガー。第1次ブログ文化論争の火付け役。

智庵居士 (議論参加記事群
AS(アスペルガー症候群)診断をきっかけにブログを始めた女性ブロガー。言語への洞察力と簡潔的確な表現力は随一。説教族を天敵とする。

海風 (議論参加記事群
理系エンジニア。数式・マトリックス・方程曲線を駆使し文系なはずな議論を理系議論に魅せかける。まったく風土の異なるブログサービス、Yahoo!とはてなを行き来するブロガー。

児兎
多趣味多才、議論も絵描きもギターも嗜む若き女性ブロガー。異文化交流議論チームとは別行動だが、「ブログの世間」というテーマを立て独自の論考を続けている(現在、活動休止中)。

御津流 (議論参加記事群
「ええ、テキトーです」とブログタイトル下に冠しながら「きっちりかっきり」思考を炸裂させるアンバランス・バランス・ブロガー。異文化交流議論チーム固定メンバーで唯一、FC2ブログをホームグラウンドとしている。

キィ (議論参加記事群
ISO申請書類書きからCADワークから現場監督までなんでもござれの働くパパ。独特の優しい語り文体でくりだす理文融合論考はただものでない。コメント欄では常に ^^ と微笑んでいらっしゃる、紳士なブロガー。

ケケ (議論参加記事群
鉄道とF1を熱く愛する自称オタッキーブロガー(別自称:ホロスキー)。「差別」という非常にネガティブにしてシリアスな問題を、社会科学的側面と倫理的側面、両側から掘り下げてゆく。クールなカタカナ語も彼の記事内では妙に熱く見える(ような気がする)。

牛飼い男
マレーシア在住の日本人ブロガー。多彩な文化が同居する国マレーシアで子ども達に「作文」を教えている彼のブログは、「書くこと」にこだわるブロガーなら必見。トンコ氏(児兎)・chargeup氏(智庵)の記事コメント欄でお会いできる。

Zeta
異文化交流議論記事群のコメント欄にひょっこり現れるコメンテーター。ホームブログがあるのかは不明。参考になるURLも、ひょこひょこコメント欄に置いて行ってくださる。


川辺
第1次ブログ文化論争メンバーの記事に現れる軽妙コメンテーター。記事のシリアスさを小脇に流しアサッテ方向へ繰り出される彼のコメントは、後半どんどん暗くなっていった異文化交流議論にとってありがたい清涼剤。

ファラ
可憐なるOL一年生にしてchargeup氏(智庵)の友人ブロガー。おっとりした彼女のコメントにみなさま癒されてください。あなたはむくつけき異文化交流議論に咲く一輪の野菊だ。
(※他の女性メンバーに華がないというわけではナイ)

歌檀
10年以上前から自前サイトを運営し、多数のサービスで活動を展開しているネット古参ブロガー。2006年10月、とあるYahoo!ブロガーの記事が大量転載された事件(ノベライズ文では「善意之天災」と表記)をきっかけに、Yahoo!にて「転載機能」を考察するブログを開設した。

山吹
男のファッションとスポーツシューズへの並々ならぬ思い入れを綴る公務員ブロガー。chargeup氏とそら氏の友人。わたりとり、後ほど登場するちょっちぷん氏を併せた五人が登場する(完全内輪ネタの)リレーキャラノベ「トルネード戦隊」でイエロー役を務めている。
06/20|浮遊砦コメント(6)トラックバック(0)TOP↑
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